磯村産業製合図灯           ページ内移動:マウスでスクロール,メニューへの戻り:バックボタン.

 磯村産業は明治43(1910)年2月に磯村工業所として創立され,ガス器具関連の製造を開始しました. 鉱山用のカーバイドランプをオリジナルとして長らく合図灯を供給していましたが, 昭和44(1969)年ごろ磯村産業機器鰍ノ代わってしばらくの後,事業から撤退しました. ガス灯から電灯へと発展したところが,白光舎と異なる特徴です.


みつびし合図燈
 昭和初期のカーバイド式合図灯で,高さ33cmとかなり大型です. カーバイド灯はカルシウムカーバイド(CaC02)に水を反応させて得られる アセチレンガス(C2H2)を燃焼させて光源とします. このためカーバイド槽を下に水槽を上に配置し,水槽の底にはニードルバルブを設けて水の滴下速度を調整します. 乾燥質量で1.6kgあり,水とカーバイドが加わるとかなり重く,長時間の携帯はかなり苦労したと思われます.

昭和初期の製品.
手サゲガスランプ みつびし256号
 磯村産業のカーバイド灯としてよく見かけられるもので,レンズの有無やフィルタの有無があります. 上の製品に比べて小型でスマートな形状になり,乾燥質量で870gと軽量化されています. ガスのノズルには様々の種類があり,明るさや燃焼時間を調整可能でした. 鉄道以外にも用いられ,昭和40年代まで作られました. なおトレードマークの「みつびし」は菱型を上下に3つ重ねた「三階菱」をかたどっったものです.

昭和40年代の製品.
 
付属の取扱説明書↓
磯村E-2型合圖灯
 白光式合図灯とともに電灯式合図灯として最もポピュラーなもので,昭和20年代後半から47年頃まで生産されました. 国鉄の合図灯の仕様書に基づいた設計で,真鍮ニッケルメッキ製ボディー,質量720g,電池はTA2-2サイズを用います. レバーのスリットから水が侵入しにくいようにスライド式の小片(防水板)があり,色の転換方向を示す表示機の役目を兼ねています.

昭和30年代後期製.
 
付属の荷札様取扱説明書↓